自己破産|破産したときに生活費は残せるのか
今回お届けするのは、前回に引き続き「自己破産」に関する相談です。
このブログを読んでくださる依頼者の中には、経営者の方もいるのではないでしょうか。経営者の皆様にお役にたてるコンテンツになっておりますので、ぜひご一読頂けますと幸いです。
今回の記事は、自己破産した時の生活費について紹介します。
ー 今回のご相談内容 ー
もう私も年ですので、会社を破産させ、事業を清算しようと思っています。
会社の借り入れについて連帯保証をしているので、私も破産しますが、私の生活費としていくらくらい手元に残せるのでしょうか?
「教えて!高島先生!」
当事務所代表弁護士高島秀行がお答えします。
破産は、負債と資産を清算する手続です。
会社の破産の場合、裁判所から選任された管財人が会社の資産を全て換金し、借金や買掛金などの支払いに当てます。
破産は、債務超過、即ち資産よりも負債の額が多い場合に申立をするので、不足分が生じます。
不足分があったとしても、会社には債権者に支払う資産はありませんから、会社にあるだけの資産を配当し破産手続は終了し、会社は消滅することとなります。
したがって、会社の破産の場合は、会社の財産を手元に残す余地はありません。
個人の破産の場合も、破産手続としては、会社の場合と同様で、資産を換金し、借金などの支払いに当てることは同じです。
しかし、個人の場合破産手続き後も生きて生活していくわけですから、会社と違って、破産手続が終わった時点で消滅するということはありません。
そこで、生活に必要最低限の財産や換価価値のない財産については破産手続後も、手元に残しておくことが許されています。
これまでも、クーラーやテレビ、洋服など生活に必要と思われる財産は、手元に残すことが許されてきました。生活に使用している電化製品などは、今の日本ではほとんど換金性がないので、そういう意味でも手元に残されることも多いです。
手元に残せる現金ですが、これまで20万円未満でしたが、法律が改正され、平成17年1月から、99万円まで、破産申立後の当面の生活費として手元に残すことができるようになりました。
ただ、この99万円はあくまでも現金として残すことが許されているのであって、預金の形式では、これまでどおり20万円未満しか残せませんので、破産申立のときには、預金は下ろして、現金化しておく必要があります。
なお、破産申立をした場合、生命保険などについては、基本的には解約する必要があります。
ただ、解約返戻金が少ない場合、解約する必要はありませんし、病気にかかっているので、保険を解約することができないなどの事情がある場合には、解約返戻金相当額を管財人に支払って保険を継続することもできます。
高島法律事務所では、契約書の分野において多数の解決事例をもっています。
まずは、「相談」という形で、第一歩を踏み出し、お手伝いをさせてください。経営者である依頼者の力になれるよう邁進いたします。