トラブル交渉における注意
今回お届けするのは、「トラブル交渉」に関する相談です。
このブログを読んでくださる依頼者の中には、トラブルが起こった際、トラブルが起きた経験が多くあるという経営者の方もいるのではないでしょうか。そんな皆様にお役にたてるコンテンツになっておりますので、ぜひご一読頂けますと幸いです。
今回の記事は、トラブル交渉の注意点について紹介します。
ー 今回のご相談内容 ー
取引先とトラブルになりました。相手は責任を認めていますがなかなか解決しません。
どのようなことに注意して対応したらよいでしょうか?
「教えて!高島先生!」
当事務所代表弁護士高島秀行がお答えします。
クライアントが、取引のトラブルの相談に来たときに、「先生、相手は責任を認めているから大丈夫ですよ。」と説明を受けた案件で、訴訟をやってみると、相手方は自分の責任を全面否定するということはよくあることです。
担当者レベルで、相手がミスを認めていても、その上司、あるいは社長が、そんなミスは認めるわけにはいかないという雰囲気であれば、担当者も会社の人間なので、弁護士に相談に行ったり、
裁判所で証言したりするときには、自分の会社に有利なことしか言わないからです。
そこで、取引のトラブルで相手方が謝って来た場合には、そのことを証拠に残しておきましょう。証拠に残すといっても、こちら側でメモしていただけでは弱いです。
こちら側で作ったメモは、結局、後からいつでも作れてしまうからです。業務日報に毎日交渉の推移を書いていれば、信用性のあるものになるかもしれません。でも、こちら側が作成した文書であることには変わりません。
できれば、相手に、責任を認める文書を作成してもらいたいところです。
「今回のトラブルは当社の~~のミスが原因です。」という文書に、日付、担当者の署名捺印をもらえれば最高です。
それができなくても、相手が責任を認める内容の文書をファックスでもらうという方法もあります。ファックスは文書ですし、日付が入るので、証拠としてはかなり有効です。
文書に署名捺印を要求すると、正式の文書と思われてしまいますから、相手も警戒します。上司に決済を取ったり、弁護士に相談したりしてしまうことにもなりかねません。
ところが、ファックスだと意外に担当者レベルの判断で、すんなり送ってくれたりします。相手が認めていたという証拠としては、署名捺印がある文書でも、ファックスで送ってもらった文書でも同じです。
トラブルの場合は、面倒でも、電話で交渉するよりは、ファックスでやり取りした方が後で裁判になったときに交渉内容を証明しやすいので、ファックスでやり取りすることをお勧めします。今ならメールで送ってもらうという方法もあります。
文書の作成は苦手だという人は、相手の担当者との電話での話し合いあるいは会議の内容を録音する方法もあります。ただし、録音の場合、こちらが自分で不利なことを言ってしまってもそのまま証拠として残ってしまいますので、注意しなければなりません。
高島法律事務所では、契約書の分野において多数の解決事例をもっています。
まずは、「相談」という形で、第一歩を踏み出し、お手伝いをさせてください。経営者である依頼者の力になれるよう邁進いたします。