会社に出資をする際の注意点 ―未公開株―
このブログを読んでくださる依頼者の中には、経営者の方もいるのではないでしょうか。経営者の皆様にお役にたてるコンテンツになっておりますので、ぜひご一読頂けますと幸いです。
今回の記事は、「未公開株」について紹介します。
ー 今回のご相談内容 ー
知人が経営している会社の事業は将来有望で上場するかもしれません。
その知人から、出資をして、資金繰りを助けて欲しいと言われています。
どのような点を注意したらよいでしょうか。
「教えて!高島先生!」
当事務所代表弁護士高島秀行がお答えします。
まず、出資は、貸付金ではないので、基本的に、出資したお金は返してもらえないということをよく認識してください。
上場している会社の株であれば、嫌になったときには、いつでも市場で売買することができます。
しかし、未上場の株式は、売ろうと思っても通常買う人はいないので、簡単に売ることはできません。
そして、株式は、その会社が利益を出さなければ、配当も受けられません。
株主総会での議決権を持つ株式を取得するのが普通ですが議決権のない株もあります。
また、議決権を持っていたとしても、出資して取得した株式の比率が50%未満であれば、役員を選任する権利もありません。
したがって、役員にもなることはできません。
出資するに当たっては、このように出資しても何のメリットも得られない可能性があるということを覚悟することが必要です。
次に、出資するに当たり、会社の過去の業績、決算書の内容をよく検討することです。
売上が増えているのか、減っているのか、経費はどのようなものに多くかかっているのかなどについて、注意する必要があります。
そして、今後の事業計画を確認しましょう。今後、どのようにして、売上を増やし、利益を増やしていくのかなどについて、わからないところは、経営者に直接聞く他に、第三者に聞いてみたり、自分でその業界のことを調べてみたりしましょう。
このような検討を加えて、経営者及び会社が信用できると判断して、事業が破綻した場合や経営者に騙されたら仕方がないと思えたら、出資してもよいと思います。
出資を決めたら、出資額、出資に対する株式数、発行する株式の種類、出資金を入金する口座、日程、株券は発行するのかどうかなどを確認して、これらを株式投資契約として、書面化しておいた方がよいでしょう。
創業間もないベンチャー企業に出資したときには、株式投資契約を締結しておくと、エンジェル税制と言って、税法上の優遇措置を受けられるケースもあります。
この点は、税務署や税理士に確認してください。
高島法律事務所では、契約書の分野において多数の解決事例をもっています。
まずは、「相談」という形で、第一歩を踏み出し、お手伝いをさせてください。経営者である依頼者の力になれるよう邁進いたします。