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顧客から中途解約を求められた
今回お届けするのは、消費者契約の「中途解約」に関する相談です。
このブログを読んでくださる依頼者の中には、解約に関心の高い経営者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな皆様にお役にたてるコンテンツになっておりますので、ぜひご一読頂けますと幸いです。
今回の記事は中途解約についてご紹介します。
ー 今回のご相談内容 ー
エステティックサロンを経営しています。
長期契約の方は1回当たりの料金が安くなる契約をしています。
中途解約の場合は、長期契約の料金でなく、解約した時点までの短い期間の料金で計算し精算することにしています。
問題はあるのでしょうか?
「教えて!高島先生!」
当事務所代表弁護士高島秀行がお答えします。
エステティックサロン、語学教室、学習塾、家庭教師、パソコン教室、結婚相手紹介サービス業の6つは、長期契約を結ぶことが多く、顧客との間で中途解約が問題になることが多いことから、特定商取引法で、契約及び中途解約について規制を受けています。
そこで、これらの規制の内容をよく理解して事業を営む必要があります。
ご質問の中途解約については、まず、顧客から中途解約の申し入れがあった場合には、中途解約に応じなければなりません。
契約書に「中途解約はできません。」と書いても無効であるばかりでなく、契約解除を妨げる行為として、2年以下の懲役又は300万円以下の罰金という刑事罰が科せられます。
次に、中途解約された場合の精算方法ですが、特定商取引法では、
【精算金=支払総額-提供済みサービス料金(1回当たりの料金×利用回数)-法定解約料】
となっています。
この法定解約料は、違約金や損害賠償のことで、エステの場合は、2万円か、契約残額の10%の低い方の額となります。
最後に、問題の、精算する場合の1回あたりの料金は、値引前の金額か、値引後の金額かということですが、この点は、最高裁判決が出て決着が付きました(最高裁平成19年4月3日判決)。
最高裁は、「契約の際に、その顧客に対し提供されるサービスの料金が決められ、1回当たりの料金も、契約の際に決められる。だから、精算するときも、契約の際に決めた料金で精算すべきである」と判断しました。
即ち、契約の際に、値引をして1回当たりの料金を決めた場合には、契約より短い期間で中途解約された場合も、契約で決めた値引後の単価で精算すべきとしたのです。
したがいまして、今後は、長期契約を前提として値引きをしたのに、短期間で中途解約されてしまっても、1回あたりの料金は、値引後の料金で精算しなければなりません。それを前提に長期契約の割引など料金体系を考え直す必要があります。
高島法律事務所では、消費者契約の中途解約に関わる紛争において多数の解決事例をもっています。
まずは、「相談」という形で、第一歩を踏み出し、あなたと紛争解決・悩み解消のお手伝いをさせてください。経営者である依頼者の力になれるよう邁進いたします。