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消費者契約法にご注意
今回お届けするのは消費者契約法に関する相談です。
このブログを読んでくださる依頼者の中には、消費者契約法に関心の高い経営者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな皆様にお役にたてるコンテンツになっておりますので、ぜひご一読頂けますと幸いです。
今回の記事は消費者契約法における注意点をご紹介します。
ー 今回のご相談内容 ー
入会金を取って年会費でサービスを提供する方式を取るという会員制事業を営んでいます。入会金は一切返還しないこととしています。
新しくできた消費者契約法ではこのような契約は問題があると聞きましたがいかがでしょうか?
「教えて!高島先生!」
当事務所代表弁護士高島秀行がお答えします。
事業者向けのビジネスでなく、一般消費者向けビジネスを展開している方は気をつけてください。
消費者契約法という消費者にとって有利な法律ができました。
消費者に有利な主な点を挙げると、まず、
①勧誘する際に、顧客に帰って欲しいと言われたにもかかわらず、帰らずに契約締結をした場合、
②勧誘している際に、顧客が帰りたいといったにもかかわらず、帰らせないでそのまま説明を続けて契約を締結した場合
には、事業者側が自分の説明を聞いて任意に契約を締結したとしても、消費者側は契約を取り消すことができるのです。
その他に、勧誘の際に、
③事実と違う虚偽の説明をした場合、
④わざと都合の悪いことを教えなかった場合、
⑤儲かるとか利益が得られることを断定して説明した場合
にも、消費者は取り消すことができます。
また、勧誘方法だけでなく、契約書の内容でも、
①事業者はどんなことがあっても一切の責任を負わない旨の規定、
②消費者が契約を解除する場合には高額な違約金や賠償責任を負わせる規定、
③消費者の支払う金銭に14.6%を越える利息をつける規定、
④消費者に一方的に不利な規定
これらは、みんな無効となります。
ご質問の、「一度支払った入会金は理由の如何を問わず返還いたしません」という条項は、これまで会員制事業で入会金を取る事業では、必ずと言っていいほど、契約書に記載されていました。
しかし、入会金を返還しないということは、違約金を取ったことと同じですから、その金額が合理的だという根拠がなければ無効となります。
また、合理的な理由がなければ、消費者に一方的に不利な規定という理由で無効にされることにもなります。
具体的には、まず、解約によって事業者の被った損害を消費者が負担すること自体に合理的な理由がないといけません。
そして、消費者が負担することが合理的だとしても、負担する額が合理的でなければならないのです。
会員制事業で、解約された場合に事業者が被る損害で合理的なものは、会員の登録費用や抹消費用、会員証作成費用くらいだと思われます。
また、その額も、その作業に必要となる金額ですから、大した金額にはならないと考えます。
ちなみに、特定商取引法では、学習塾や英会話学校についての登録費用などについては上限が5万円と定められています。
高島法律事務所では、消費者契約の解約に関わる紛争において多数の解決事例をもっています。
まずは、「相談」という形で、第一歩を踏み出し、あなたと紛争解決・悩み解消のお手伝いをさせてください。経営者である依頼者の力になれるよう邁進いたします。