少額訴訟制度を解説!弁護士に依頼したら赤字になるのでは!?と悩む経営者の皆様へ
今回お届けするのは、前回に引き続き、「債権回収」「売掛金回収」に関する相談です。
(→前回の記事「売掛金回収の強い味方!内容証明郵便よりも強力な制度を紹介します!」)
(→前々回の記事「意外に早い「売掛金の消滅時効」に注意しましょう」)
(→前前前回の記事「内容証明郵便による債権回収・売掛金回収に効果はあるのか。」)
(→前前前前回記事「債権回収・売掛金回収にお悩みの経営者様、解決策をお教えいたします。」)
このブログを読んでくださる依頼者には、売掛金の回収でお悩みになっている経営者の皆様も多いのではないでしょうか。そんな皆様にお役にたてるコンテンツになっておりますので、ぜひご一読頂けますと幸いです。
今回は、「少額訴訟制度を解説!弁護士に依頼したら赤字になるのでは!?と悩む経営者の皆様へ」というテーマでお届けさせていただきます。
ー 今回のご相談内容(前回と同様)ー
私はIT企業を経営しています。お客様にWebサイトや社内システムを納品する仕事です。そんな中、あるクライアント様が納品したにも関わらず、代金を支払いません。取引先が、商品の代金を「払う。払う。」と言いながらなかなか支払ってくれません。
売掛金回収を弁護士に依頼したいのですが、額が50万円程であるため弁護士に相談すると、相談料や成功報酬で赤字になってしまうのではないかと考えております。何か良い手段はないでしょうか。
「教えて!高島先生!」
当事務所代表弁護士高島秀行がお答えします。
売掛金の回収については、滞ったら弁護士に依頼するというのが普通でしょう。
しかし、弁護士に依頼した場合、弁護士の費用がかかります。
弁護士報酬規程が無くなり、弁護士費用は自由化されたので、弁護士費用は、依頼する弁護士と話し合って決めていただくこととなりますが、これまでの報酬規程を参考に費用について説明します。
弁護士費用には、最初に支払う着手金と回収できたときに支払う報酬金と、2回支払う必要があります。
これまでの弁護士報酬規程では、100万円以下の売掛金の回収事件は、最初に、着手金を10万8000円(消費税込)、
報酬金16%+消費税を支払うこととなっていました。
50万円の場合で言えば、依頼するときに着手金10万8000円、全額回収できたときには、報酬金8万6400円を支払うことになります。
着手金の10万8000円は弁護士費用の最低額なので、請求金額が30万円でも、20万円でも、着手金は10万8000円かかるのです。
そうすると、100万円に満たない売掛金の回収を弁護士に依頼することは、割りに合わないことがわかると思います。
140万円以下の請求の裁判は、簡易裁判所で行なわれます。
そして、簡易裁判所の裁判は、社長自らするだけでなく、裁判所の許可を得れば、従業員にやらせることも可能なのです。
そこで、少額の売掛金の回収については、自社の従業員に裁判をやらせるというのも1つの方法です。
そんなことを言っても、従業員で裁判ができるかと思われる方もいるかもしれません。
もちろん、最初は無理だと思います。
そこで、最初は、顧問弁護士などに、書面の書き方を相談して、手続がどのように進んで行くのか確認しながら行なえば、少額の売掛金の回収ならば可能です。
売掛金の裁判を難しくしないためにも、商品を売ったり、サービスを提供したりするときには、相手方から発注書をもらうか、売買契約書を交わすようにする必要があります。
これらの証拠があれば、売掛金請求の裁判手続を進めて行くのは簡単です。
売掛金の金額が60万円以下の場合には、裁判が1回で終了する少額訴訟という手続を利用することもできます。
この少額訴訟手続を利用するためにも売掛金を証明する書類を相手方から取っておく必要があります。
証拠がなければ、請求している方が負けてしまうからです。
貸金業者などは、簡易裁判所の裁判は自社の従業員で行なっているのが普通です。
だから、少額訴訟については、あなたの会社でも、あなたあるいは自社の従業員でやってみたらいかがでしょうか?
高島法律事務所では、売掛金・債権回収の分野において多数の解決事例をもっています。
また、代表の高島秀行は、債権回収会社で取締役を務めています。売掛金が回収できない状態が続くことはとても悩ましいですよね。
まずは、「相談」という形で、第一歩を踏み出し、解決までのお手伝いをさせてください。経営者である依頼者が、本業にいち早く集中できるよう共に解決に邁進いたします。