トラブルを後日の証拠にする「念書」の効用

今回お届けするのは、前回に引き続き「念書」に関する相談です。
 
このブログを読んでくださる依頼者の中には、トラブルが起こった際、念書を書いてもらうべきかどうか迷った経験があるという経営者の方もいるのではないでしょうか。そんな皆様にお役にたてるコンテンツになっておりますので、ぜひご一読頂けますと幸いです。
 
今回の記事は、念書について紹介します。
 

ー 今回のご相談内容 ー

トラブルになったときには、「念書を書いてもらえ」とよく言われますが、念書にはどういう意味があるのでしょうか。
念書という表題にしないといけないのでしょうか。

 

「教えて!高島先生!」

当事務所代表弁護士高島秀行がお答えします。


 
私も、トラブルの相談を受けたときに、相手が相談者に有利なことを言っているときには、「念書を書いてもらってください。」とか、「一筆書いてもらってください。」とアドバイスしています。
 
この念書には、どういう意味があるのでしょうか。
 
まず、相手に義務があるかどうかわからない場合に、念書を書いてもらえば相手が義務を認め、ある行為をすることを約束したこととなります。  
 
例えば、取引のトラブルが起きたときに、相手が「金100万円を支払います」という念書を書いてくれれば、相手が自分の非を認めて、100万円を返還することで解決することとなったことになります。
 
このケースで、念書を書いてもらわなければ、後で、そもそもどちらが悪いのかということから裁判で争わなければなりません。
 
次に、後で裁判などで、争いになったときに証拠となります。
 
トラブルでは、「言った」「言わない」という問題が付きものです。
 
念書など書面に書いてもらえば、後で、そのときにどう言っていたかを証明する証拠となります。証拠という意味では、メールでも、ファックスでも役に立ちます。
 
念書の効用の3つ目としては、人は文書にすると、それを守らなければならないと思い、実行が期待できることにあります。
 
この意味では、借用証で、お金をいつまでに返すことが決まっていて、法律上の証拠としては借用証だけで十分でも、改めて、「平成○年○月○日までに金100万円を返還します」と書いてもらうことに意味があります。
 
相手に、支払いを待って欲しいと言われ、待ってあげてもよいと思ったら、この意味での念書を書いてもらいましょう。
 
一般に、「念書」や「覚書」「誓約書」「確約書」「一筆」などと言われていますが、文書のタイトルは、何でも大丈夫です。
 
文書のタイトルよりは、文書に日付を記載してもらうのと、相手に署名捺印をしてもらうことの方が重要です。
 
相手が「お金を支払う」とか「建物を明け渡す」などと約束した場合には、いつまでにするのかという期限も書いてもらった方がよいと考えます。
 


高島法律事務所では、契約書の作成の分野において多数の解決事例をもっています。


まずは、「相談」という形で、第一歩を踏み出し、公正証書作成のお手伝いをさせてください。経営者である依頼者の力になれるよう邁進いたします。


 

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