取引先が民事再生の申し立て

今回お届けするのは、「民事再生」に関する相談です。

 

このブログを読んでくださる依頼者の中には、経営者の方もいるのではないでしょうか。経営者の皆様にお役にたてるコンテンツになっておりますので、ぜひご一読頂けますと幸いです。

 

今回の記事は、民事再生について紹介します。

 

ー 今回のご相談内容 ー

当社の取引先が、民事再生手続の申立をしてしまいました。

 

売掛金はどうなってしまうのでしょうか。 

 

「教えて!高島先生!」

当事務所代表弁護士高島秀行がお答えします。


最近は、好景気ということもあり倒産する会社は減っています。ただ、破産や民事再生手続をする会社が無くなったわけではありません。

 

不況期に、大企業でも民事再生を行うケースがありましたからみなさん、民事再生という言葉はご存知だと思います。

 

しかし、どういう手続で進んでいくかは、実際取引先が民事再生の申立をするまでは、わからないかもしれません。

 

民事再生手続は、再生という名前が示すとおり、一般的に、会社の再建手続を行なう手続です。

 

申立てがあると、一般的に、全部の支払いをストップします。

 

法律的に、ある債権者だけが抜け駆け的に回収することは認められません。

 

民事再生手続の申立をされてしまうと、法的手続によってしか回収できないのです。

 

そして、債権者説明会が開かれ、一定の時期までに債権届けをするよう通知が来ます。

 

債権届出をしておかないと、再建案(再生案と言います)に対し、賛成したり、反対したりする権利や配当を受ける権利を失う場合があるので、必ず債権届出は期限までにするようにしましょう。

 

債権届出後、会社がその債権があるかないかを認否します。

 

会社は全債権について認否を行なった後に、それを前提として再建案を提出します。

通常は、債権の数パーセントを10年以内に弁済するという案を作成します。

 

これに対し、債権者集会が開かれ、債権者は会社の作成した再建案に賛成か反対か決議します。

その決議は議決に参加した債権者の過半数で、債権総額の過半数の賛成があれば可決します。

この債権者集会で否決されると、会社は破産します。

 

破産するよりもましだと思えば賛成すればよいし、そんな少額の配当をもらうくらいなら破産してもらった方がすっきりすると考えれば、反対すればよいと思います。

 

自分が経営者であれば、もっと債権者への配当を多くすることができると思えば、自分たちで再建案を作成して提案することも可能です。

 

会社の有望事業を買収したいと思えば、この手続の中で買収を提案することも可能です。

 

ただ、これらをするには、短期間のうちに具体的な提案をしなければならないので、かなりの労力を覚悟する必要があります。

 


高島法律事務所では、契約書の分野において多数の解決事例をもっています。

まずは、「相談」という形で、第一歩を踏み出し、お手伝いをさせてください。経営者である依頼者の力になれるよう邁進いたします。


 

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