代表取締役(社長)を辞任するには?
このブログを読んでくださる依頼者の中には、経営者の方もいるのではないでしょうか。経営者の皆様にお役にたてるコンテンツになっておりますので、ぜひご一読頂けますと幸いです。
今回の記事は、「代表取締役の辞任」について紹介します。
ー 今回のご相談内容 ー
頼まれて株式会社の社長をしていますが、オーナーと折り合いが悪いので、辞めたいと考えています。
辞める手続はどうすればよいでしょうか。
「教えて!高島先生!」
当事務所代表弁護士高島秀行がお答えします。
社長や専務、常務という言葉は、法律用語ではありません。
法律的には、ただの取締役と代表権のある代表取締役の2種類しかありません。
この代表権のある代表取締役が、契約などの会社の行為を行なうことができることとなっています。
一般的に、会社の社長は、この代表取締役であることがほとんどです。
そこで、質問のケースでは、代表取締役社長が辞めるときには、どういう手続を取ればよいかということについて回答することとします。
先ほど説明したとおり、会社の行為を行なうことができるのは、代表取締役です。
だから、辞める場合には代表取締役に辞めることを伝える必要があります。
代表取締役が2人以上いる会社であれば、1人の代表取締役が辞めたいときには、別の代表取締役に対し、辞表を出せばよいのです。
ところが、中小企業では、代表取締役が1人しかいないのが普通です。
すると、自分で、自分に対して、辞表を出せばよいのか、それとも株主に対して辞表を出せばよいのかなどと迷うところです。
この点については、判例があります(東京高裁昭和59年11月13日判決)。
判決では、1人しかいない代表取締役が辞任するには、取締役会を招集して、その取締役会に対して、辞任を表明すればよいとされています。
だから、あなたの会社に取締役会があれば、代表取締役として取締役会を招集して、そこで辞任を表明すればよいこととなります。
ただし、今は、取締役が1人で、取締役会がない株式会社も存在します。
その場合には、取締役会を招集して、辞任を表明することができません。
このような場合は、判例の理屈から推測すると、株主総会を招集して株主総会で辞任を表明すればよいと考えます。
高島法律事務所では、契約書の分野において多数の解決事例をもっています。
まずは、「相談」という形で、第一歩を踏み出し、お手伝いをさせてください。経営者である依頼者の力になれるよう邁進いたします。