裁判手続 ―訴状が来た!―
このブログを読んでくださる依頼者の中には、経営者の方もいるのではないでしょうか。経営者の皆様にお役にたてるコンテンツになっておりますので、ぜひご一読頂けますと幸いです。
今回の記事は、「訴状が来た場合の裁判手続き」について紹介します。
ー 今回のご相談内容 ー
裁判所から書類が届き、内容を見ると、取引先から、当社の製品によって損害を受けたので損害賠償を請求するという訴状が入っていました。
あまりにも不当な内容なのですが、放置しておいたらまずいのでしょうか。
「教えて!高島先生!」
当事務所代表弁護士高島秀行がお答えします。
訴状が届いたということは、相手方からあなたの会社に訴訟が起こされたわけです。
同封されている呼出状の期日に、会社の代表者、あるいは代理人である弁護士が裁判に出席するか、出席に代わる書面を提出しなければ、相手方の主張がいくら不当であっても、相手方の主張が認められ、あなたの会社は、相手方に損害賠償しなければならないという判決が出てしまいます。
さらに、判決が出ると、判決に基づき、相手方は、あなたの会社の財産を差し押さえたりすることができるようになってしまいます。
そこで、相手方の主張が不当なのであれば、弁護士を立て、争う必要があります。
裁判手続きは、大体1ヶ月に1回行われ、互いに主張、反論を繰り返し、お互い主張の裏づけとなる証拠を提出します。
お互いの主張及び証拠の提出が煮詰まったところで、お互い自分に有利なことを証言してくれる証人を申請して証人尋問を行います。
そして、裁判所はそれまでに出された証拠と証人尋問の結果に基づき判決をします。
今は普通の裁判であれば、1年もかからないで終わることが多いので、だらだらと交渉しているよりは解決が早いです。
訴訟になってしまうと、判決でしか決着がつかないと思っている人も多いですが、お互いが条件を出し合い、折り合えば、訴訟の途中で、和解という話し合いで解決することができます。
判決で負けた方は、2週間以内に控訴することができます。
第1審が地方裁判所の場合、高等裁判所に控訴します。
高等裁判所の判決に不服の場合、最高裁に上告することができますが、上告は、上告の要件が憲法違反などに限られていますので、実際上は高等裁判所で決着がつきます。
取引上のトラブルの裁判を民事裁判と言い、犯罪を行ったかどうかの裁判を刑事裁判と言います。
民事裁判では、訴えを起こした方が原告、訴えを起こされた方を被告と言います。
刑事裁判にかけられている人は、被告人と言います。
マスコミが、刑事裁判の被告人を被告と呼ぶので、何もしていないのに、被告とされたと怒る人がいますが、訴えを起こされれば、犯罪を犯したかどうかとは関係なく被告と呼ばれるだけなので気にしないでください。
高島法律事務所では、契約書の分野において多数の解決事例をもっています。
まずは、「相談」という形で、第一歩を踏み出し、お手伝いをさせてください。経営者である依頼者の力になれるよう邁進いたします。