共同経営と出資比率
今回お届けするのは、前回に引き続き「共同経営」に関する相談です。
このブログを読んでくださる依頼者の中には、共同創業の形で経営者になった方も多いのではないないでしょうか。そんな皆様にお役にたてるコンテンツになっておりますので、ぜひご一読頂けますと幸いです。
今回の記事は、今まさに、共同で経営に当たっている方及び共同経営で会社を始めようとしている方に特に読んでいただきたい記事となっております。
ー 今回のご相談内容 ー
来月、友人3人で、起業を予定しております。
株式会社の出資比率を3分の1ずつしようと思っているのですが、何か問題はあるでしょうか?
留意すべき点等、ございましたらご教授いただけますと幸いです。
「教えて!高島先生!」
当事務所代表弁護士高島秀行がお答えします。
共同経営の持ち株比率については、経営者の皆さんに特に慎重に考えていただきたいテーマです。
起業を考えている皆様の中には、友人、知人といっしょにビジネスを始めるという方も多いと思います。
また、自分1人で始めても、事業の資金を、他人から出してもらうということもあるでしょう。
起業するときには、まだ儲かってもいないし、何がどうなるかわからないので、後先のことを考えずに、何となく、必要なお金を出してくれる人がいればよいと考えて進めてしまうケースが多いです。
しかし、実は、これが後でトラブルの元になってしまうことが多いのです。
会社で最終的な意思決定権を持つのは、過半数の株を持つ株主です。
株の過半数を押さえれば、会社を実際に動かす取締役や代表取締役を選んだり、辞めさせたりすることができるからです。
起業して、最初は誰もが、顧客を開拓し、収入を安定させ、引いては会社経営を安定させようということで、目的は一致しているので、争いごとあまり起きません。
しかし、顧客が付いて会社経営が軌道に乗ってきて収入も大きくなってくると、人間欲も出てきます。
こんなに儲かる会社なら、「自分の思い通りに支配したい。」と、パートナーが思わないとも限りません。
ご質問の3人で出資し合うケースでは、3人でずっと仲良くやって行けるのなら問題はありません。
しかし、人間3人集まれば派閥ができるというように、2対1に分かれる可能性があります。3人の場合、2人が手を組めば、株式数の過半数を押さえることができます。
そうすると、残った1人を会社から排除することが可能となります。会社が儲かってきたときに、残り2人が、あなたを会社から排除するかもしれないのです。
したがって、起業するのであれば、あなた1人で少なくとも過半数の出資金を出して、会社のイニシアティブをあなたが取れるようにしておく方が、後で嫌な思いをしないで済むと思います。
高島法律事務所では、共同創業・共同経営・共同出資に関わる紛争において多数の解決事例をもっています。
まずは、「相談」という形で、第一歩を踏み出し、あなたと紛争解決・悩み解消のお手伝いをさせてください。経営者である依頼者の力になれるよう邁進いたします。