即決融資のダイレクトメール、このようなところ借入しても大丈夫?

今回お届けするのは、「即決融資の勧誘ダイレクトメール」に関する相談です。
 
このブログを読んでくださる依頼者の中には、借入に関心の高い経営者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな皆様にお役にたてるコンテンツになっておりますので、ぜひご一読頂けますと幸いです。
 
今回の記事は、即決融資のダイレクトメールに関する注意をご紹介します。
 

ー 今回のご相談内容 ー

当社は、中小企業のご多分に漏れず、資金繰りぎりぎりで毎月をしのいでいます。
よく、会社に、「無審査で融資します。」「即決100万円融資」などと書かれたダイレクトメールが来ます。
このようなところから借入をしても大丈夫でしょうか。

 

「教えて!高島先生!」

当事務所代表弁護士高島秀行がお答えします。


全てとは言いませんが、ダイレクトメールで融資を勧誘する業者には、違法な営業をしているところが多いことは事実です。
 
まず、貸金業を営むには、貸金業の登録をしなければなりません。
 
そして、貸金業者が広告をする際には、少なくとも登録番号を記載しなければなりません。
 
しかし、ダイレクトメールに貸金業の登録番号が記載されているものは少ないです。
 
これは、そもそも、貸金業の登録をしていない業者が多いためです。
 
これら貸金業の登録をせずに貸金業を営んでいる業者は、利息が10日で1割を取ることから「トイチ」業者などと呼ばれています。
 
しかし、最近は、1週間で2割という高金利で貸付をしているケースも多いです。
 
30万円を貸して、10日あるいは1週間毎に利息として6万円ずつ受け取るわけです。
 
もちろん貸付の時には、利息分天引きし、24万円しか渡しません。
 
出資法では、年29.2パーセントまでしか金利を取れないこととなっています。1週間で2割では、年間1000パーセントを超えていますから、明かに違法なのです。
 
また、貸付の際、社判、実印、印鑑証明書を持ってこさせ、実際の金額とは異なる金銭消費貸借契約書、手形、領収書や白紙委任状、賃貸借契約書などの書類に勝手に印を押してしまい、控えも渡さず、借りた方にはどのような書類に印を押したかは教えません。
 
貸金業法では、貸金業者は貸付をする際には、契約内容を明示した書面を借主に渡さなければならないとされているので、この点でも、違法です。
 
また、白紙委任状や過大な担保を取ることも禁止されていますから、この点でも違法なのです。
 
このような違法な業者から借りることは返せなくなったときのリスクはかなり高いです。そもそも、年間1000パーセントもの利息を支払い、事業が成立するはずがありません。
 
あなたの事業の1件あたりの粗利がどれくらいの割合なのか考えてみたらわかるはずです。目の前の支払いだけしか考えず、このような業者から借入をすれば、事業が破綻することは目に見えています。
 
したがって、このような業者からの借入は中止した方がよいでしょう。もし、このような業者からでも借りれば事業が続くというのであれば、その金額に見合う他社への支払を待ってもらっても、事業は続くはずです。
 
お金を借りることより、他社への支払を待ってもらうことにより解決できないか検討した方がよいと思います。

 


高島法律事務所では、借金に関わる紛争において多数の解決事例をもっています。
 
まずは、「相談」という形で、第一歩を踏み出し、あなたと紛争解決・悩み解消のお手伝いをさせてください。経営者である依頼者の力になれるよう邁進いたします。


 

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